天気:晴れ
所持金9円の俺は昼にお金をおろそうと先輩にちゃりの鍵を借りた。
会社のエレベータ内に居合わせた経理のおばちゃんとわずかな時間会話していた。
今の俺と、先輩の所持金、二人合わせても100円ないんすよ~
まあそれで今からお金おろしに行くんですけどねー
先輩は今日も昼抜きみたいですけど。
なんて言ってしまったものだから、そのおばちゃん
お昼おごってあげるから先輩に電話してと提案してきた。
え、いいんすか?!
と返答すると、あら、ナナ君も一緒にくる?
なんて返事が返ってきたので、どうやらお金をおろしにいく俺は別枠だったらしい。
その状況下で、俺もお願いしますなんて言えないので
い、いや俺はお金おろしに行くんで…
と別に大事なことでもないのに二度言うことがかぶってしまうはめに。
先輩に事のいきさつを説明して、降りてきてもらい
おばちゃんが指定した喫茶店を告げると場所を知らないとのことで
俺が途中までついていくことにした。
その途中、先輩におばちゃんから電話かかってきて
その会話の最中に先輩が俺も一緒ですよね?的な会話をしてくれて
俺もお供させてもらえることになった。ありがとう先輩。
650円の超高級定食が確定した瞬間である。
先輩の話によれば若い男性とおばちゃんの二人組みって
はたからみたら結構あぶないだろう、それに会話がそんなに
長く持つとは思えんとのこと。3人ならまだいけるというわけだ。
で、3人が油の乗ったさんまをつつきながら食事していると
自然と会社の話になり、どんどん俺達が勝手に妄想していた
冗談のつもりの冗談みたいな予想が、次第に現実味を増し
その事実が明白になりつつ、俺達の気分は暗澹まっしぐらだったので
そのあたりにとどめてはしをおいた。
さすが経理のおばちゃん。裏事情を知り尽くしている。
しかし昼間っからこんな話するものではない。
結局お金はおろせず、土日の50円手数料をとられることになったわけだが
この650円定食が浮いたため痛くもかゆくもないわけである。