宮崎駿の最新作「君たちはどう生きるか」を見てきました。
以下感想。
見終わった直後の感想は「概ね予想通り」でした。
一人のアニメーターが、人生の最後に絞り出す作品ってどんなものだろうって考えたときに、たぶんこういうものっていうのが映像化されていた印象です。
自伝のようであり、それを抽象化したファンタジーのようであり、ジブリやそれを囲む幾多の人々を間接的に描いたのが脚本部分で、アニメーション部分では自分のまだできることを最後に全部ぶつけてきたのかなあという。
昔からそうですけど、駿ってなんだかなんだで環境問題とか、人間同士の争い事とか、その時代ごとの風刺っていう、わりとポピュラーなものを題材に書いてるんだよなあって思います。それはおそらく今回も同じだったし、何なら一人の巨匠が人生の最後に残していきたかったものっていうのが垣間見えた気がして、それはそれでよかったと思います。
この作品を見て、堀井さんのことを思い出しました。
ゆうぼうはDQ3までで、自分がやりたかったことはすべて出しきったと言った。一方で駿は、ナウシカ・ラピュタ・トトロでやりたいことはやりきった、みたいな話をしていた記憶があります。
やりたいことをやり終えたあとに出てくるものはなんだといえば、次第に人には伝わりづらいものになっていくのは当然なのかなあって気持ちになります。そう考えると、わかりやすさをしっかり残してるゆうぼうは、さすが小池塾生だなって思いますよね。
今回の作品は、人の目を一切気にせず、やりたいことをやりたいように、他の出資なしでやってやった感満載の作品でした。
こんなものもう二度と出てこないだろうなあ。