どこここブログ

10年以上続くナナブルクの日記

天誅に学ぶシナリオ術

天誅というゲームをよく話題にあげるんですけど、はたして天誅を知っている人が、この過疎ブログの読者に何人いるんでしょうね。

 

天誅は、シナリオがあってないようなもんなんですよ。なのに面白い。すごいですよね。なぜかってシステムが面白いから、その時点でゲームとして勝ってるんです。ナンバリングだけをみて評価してみましょう。

 

天誅1』シナリオ★0 システム★3 グラフィック★1

物語は、冥王が姫様さらったから倒しに行くやでっていう、MSX時代のストーリーですか?っていうレベルの簡素なものです。なのにシステムが完成されすぎてて、ステルスしながら敵を背後から一撃必殺してるだけで楽しいんです。敵の会話とか、何言ってんのか全然わかんないのに面白い。冥王が結局何したかったのかとか、こまけえこたあいいんだよって作品。それが初代天誅

 

天誅2』シナリオ★5 システム★4 グラフィック★1

1とは打って変わってシナリオが神がかってたせいで、神ゲーになってしまった作品。システムも神、ストーリーも神、そりゃ神ですよ。グラフィックはクソですけどまるで気になりません。なんなら容量の関係でBGMすらないという異色のゲームですが、むしろそこがいい。環境音しか鳴らないステージなんですよ。カッコよすぎてやばいです。天誅2にあこがれて忍者ゲー作ってるもんだから、忍屋もこれまで何度BGMなしにしてやろうかと思ったことか。

 

天誅3』シナリオ★-3 システム★5 グラフィック★5

フロムに版権を奪われて開発が変わってしまった作品。グラフィックは飛躍的に向上したもののストーリーはクソ。1よりもクソ。なぜかといえば1はほぼ無いに等しいから気にならなかったんですが、3は中途半端にストーリー頑張ろうとした形跡があるんですよね。だからクソさが際立つ。これならないほうがいいといういい例です。そのかわりシステムは1,2よりも遊びやすく、より爽快感も得て、アクションとしてはかなり面白くなっていました。なのでストーリーのクソ具合が目立つけどゲームとしては楽しいんです。

 

天誅4』シナリオ★-5 システム★-5 グラフィック★5

アクワイアに版権が戻り、元祖スタッフが集まり満を持してWiiで発売されたが、売上総数わずか2.8万本という伝説のクソゲー。それもそのはず。ストーリーが最高にひどくシステムもクソ。グラフィックは当然綺麗です。綺麗ですけど何か?って話です。他に語ることはありません。爆死したせいで、当時続編の天誅5と6を出す予定だったのに、今じゃ誰も言葉にすら出さなくなりました。

 

ここからわかるように、アクションゲームにおいて大事なのはシステムなんです。次点でシナリオ。グラフィックはまあ最低限でいいんです。でも私たちが目にしてる進捗と同じで、人は視覚からの情報に重きを置きます。ゲーム最新作!といってまずスクショ見たくなるでしょ?メインビジュアル見たくなるし、かわいいヒロインみたくなるでしょ?それがいかんのです。だからビジュアルにこだわりすぎて他が蔑ろになってるわけです。なんと嘆かわしい。しかしこの波はもう変えられないでしょう。

 

ならばせめてダメージを軽減させたいもの。

 

そこで次に着目したいのが、シナリオの評価です。シナリオは★0とか1でいいんです。システムさえよければ。問題は★をマイナスにしてしまう要素があるということ。はじめからなければマイナスにはならなかったものを、自分たちの手で時間を掛けて評価を落とすことがあるわけです。恐ろしいですね。

 

作るならせめてプラマイ0。これがシナリオの最低条件なんでしょう。

まあ、それが難しいんですけどね。