忍屋のシナリオをつくるうえでネックになっていることをもうひとつ発見しました。
それは「ゲームの雰囲気が定まっていない」こと。
わかりやすくいえば、シリアスな世界なのかコメディな世界なのかって話です。これによって筆の運び方がまるで違う。当時キャラデザをしたときはちょうどロロナのアトリエが流行ってたので、便乗してメルさん風の絵柄で描いてましたが、これだと単純にシリアスにはなりにくいんですよね。どうしてもかわいい、ほんわか、ほのぼの、やわらかい印象になってしまう。シリアスがあるとしても、ときにはそういうシーンもあるよね、といった程度のものになりがちです。
具体例を出してみましょう。
たとえば、コメディ風の世界の場合はこう。
紋「で、最近は弦ノ介さんとどうなの?
椿「どうって…別になにもないよ?
郁「椿ちゃん照れてる!
PVにもあったような、どうということはない「ただの女子の会話」が成り立つんですが、シリアスな世界になるとこれが許されないって話です。シリアスな世界、つまり天誅や蟲師のような世界で恋愛沙汰を描きたいなら、こういう掛け合いではなくて、もっと硬派なんですよね。セリフで語らず、描写で語るといいますか。つまりは、もう別ゲーじゃん!っていうレベルの話をしてるってことになります。
これが最初から硬派な絵柄で進めていたら、むしろシリアスしか合わない世界観になっていたでしょう。そういう意味でも忍屋はとことんブレブレの状態でこれまで進んできてしまっていたことが伺えます。
すべてが不明瞭のまま10年間やってきたものだから、なにも定まってない。定まってないくせにこういう方向にしたいみたいなのが中途半端にあるせいで、そちらへ舵を切りづらい。そんな悪循環が成り立っていたのです。
さて、私が描きたいのはどっちなんでしょう。
ちなみに現状だと混在してます。よく混在したままで、ある程度まとまったなって感心すらしてます。もしかしたら、競合せず混在することも可能なのかもしれませんし、それが私の描いた世界なのかもしれません。けど、むずかしいですね。あ~でもあれですね、うたわれるものなんかは混在パターンな気もしますね。コメディとシリアスにそれぞれ割り切ってある感じ。
さて、どうしたもんかなあ・・・。