どこここブログ

10年以上続くナナブルクの日記

僕の考えた最強のRPGツクール

最近になって、ずっと疑問に思っていたことがある。

それは、かつてRPGツクールに抱いていた

高揚感はどこへいってしまったのか?ということ。

その原因を探るべく、昔を少し振り返ってみる。

俺のツクールデビュー作であるツクール4時代。

新聞に挟まっているゲームショップのチラシに出ているのを見て

それまで自由帳に手描きでやっていたゲーム作りが

まさかのゲームでゲームが作れるの!?という驚きと希望に満ちていた。

スイッチ、レイヤー、すべてが初体験で、新鮮だった。

eb開催のグランプリにもVHSで録画して手紙付きで応募した。

もうVHSは廃棄処分されてるだろうなあ。

シミュレーションRPGツクール時代。

本屋の中古ゲームの棚に100円かそこらで売ってた

色あせたパッケージに目が止まり、初めてツクールがRPG以外も

作れるシリーズであることを知り、帰りのバスの中で

分厚い取説を読みながら、そのグラフィックにワクワクしながら

どんな物語にしようかと思慮を巡らせていた。

ツクール5時代。

ついに3Dになった期待とその自由度の高さにワクワクしながら

ツクール5の15秒程度しかないTVCMを何度も見るために

当時ネットもなくDVDレコーダーもなかったので

テレビの前に張り付いてVHSをセットしてCMが流れた瞬間に

録画するという努力までして期待した作品だった。

今でも雪山を4人がずらずら歩いて行き、白いドラゴンに

会いに行ってるシーンは鮮明に覚えている。

ツクール5のためだけに8GMのメモリーカードを3つ買った。

ツクールアドバンス時代。

何かの雑誌の裏、ツートンカラーで紹介されていた5cm四方程度の

記事に目がとまり、まさか携帯ゲーム機でツクールができるのか!

歓喜しながら、これだけの為にアドバンスを中古で5000円で購入し

さらにはターボファイルまで買った。

BGMも素晴らしく、グラフィックも申し分なく

携帯ゲーム機こその手軽さでさくさく作れた。

初めてPC版に手を出したツクール2000時代。

PCでツクールが作れるの!それも素材が固定じゃないとかすごい!

テストがてら作ったのが今の忍屋のもとになる初代忍屋。

PC版ならではのRTPの仕様などを理解しながら制作。

好きな素材(絵もBGM)を取り込める!すごい!といった印象。

その後、わずか6ヶ月程度の製作期間で長編RPGを作り上げる。

素材はRTPに加えて、ほとんどネットから借りたもので

自分でカスタムしたものも少しある程度だった。

そしてXPを買うには買ったけど満足に何も作れず今に至る。

思えばXPの頃からおかしかったように思う。

ここまで書いて、俺の求めるツクールに

重要な要素が2つあることに気づいた。

『対象の規模』と『素材』について。

上記の通り、俺の場合コンシューマ時代が長かったため

対象の規模が常に狭かった。

作った結果、やってもらう人といえばせいぜい兄弟か友達程度。

それに比べてPC版は、webの栄えた今となれば何万人が対象になる。

ここで重要なのが、対象は何もプレイヤーだけではないということ。

対象とは、作り手にも言えることだということに気づいた。

コンシューマ時代は、学校のクラスの中に何人ツクラーがいるだろうか?

俺はツクールについて共有できる友達が別クラスに1人いた程度だった。

それが今はどうだろうか。

作品を公開する場には、全国にツクラーたちが大量にいる。

わかりやすく言えばライバルだろう。

で、同じツクラーとして、そのライバルを見ずにはいられない。

どうしても比べてしまう心が芽生える。

自分は自分だからとか、人それぞれの良さがとか

そんなキレイ事はこの際捨て置くことにする。

結局他人の作品を気にしてしまう以上は比べてしまうのだ。

どんな界隈でも言えることだからこれは仕方ない。

比べた結果どうなるのかといえば、人と差別化を図ろうとする。

人の作品にはないシステムを考えたり、人の作品にはない

オリジナルのグラフィックを用意するかもしれない。

自分と似たようなゲームがあれば、こっちのほうがヌルヌル動いて

コマ数が多いぞ!ってやりたくなるかもしれない。

でもそういった制作の方向性って、俺にとってツクールではない。

それはツクールではなく、ただのゲーム制作。

俺にとってのツクールは、面倒事はほどほどにして比較的楽に

思い描いたものをすぐゲームに落とし込めるものだったように思う。

思い描いたイベントシーンをイベントコマンドをなぞるだけでできる。

それがツクールの素晴らしいところだ。

思い描いたイベントシーンに必要なキャラのホコグラがない!

顔グラがない!そもそもキャラが立つ予定のマップがない!となれば

まずそこからやらねばならず、うわぁ・・・めんどくせ。

となるわけである。

※ただそれが楽しくてしょうがない人は既存のツクールXPやVXで

事足りてると思うのでこの話は関係ない。

しかし厄介なことに、先ほど言ったように

対象が全国になったおかげで差別化は図りたい。

素材を取ってこれるとはいえ限度がある。

あー、あそこと同じ素材使ってるーとコメントされたときに

イラッっときた経験者が多そうなのは想像に難くない。

じゃあどうすればいいねんって話なんだけど

歴代ツクールで一番理想に近かったのは5だった。

具体的にいえば5のフィールドマップを作るシステム。

大きさを決めて隆起させたり、円柱にしたり四角柱にしたり

そこにテクスチャを貼ってフィールド以外にも様々なものが

比較的簡単に作れた。

そのツクール内のシステムだけで完結しているから

別途Photoshopを起動したり、3dsmaxでモデリングをする必要もない。

全部ツクール内だけで完結するからこそのツクールなのだと気づいた。

なので、俺がツクール5をやっていたときに思っていた次回ツクール6は

5がDQ7だったから、6はきっとFF7~9程度は作れるようになるんだろうと

何の疑いもなく思っていた。

結果出たのはPS2無印の何かいろいろもったいない

謎のツクールだったけども。

以下結論。

次回のツクール最新作は・・・

素材を全部ツクール内のシステムだけで完結できる。

フィールドはツクール5をベースに。

ツクール5の箱を積み重ねるダンジョンや町を作るシステムは

ツクール5に代表される『王の錫杖』を見るとその緻密さに驚くけど

最終的に出来上がる町並みがFF7~9までのレベルにはしたい。

(そもそもFF7~9は3D空間を固定カメラで動いてるだけなので

最終的なレンダリング画さえ綺麗に見えればいい手法なため

少し考え方が変わってくるけど)

最初からある程度のプリセットが用意されてているだとか

いくつかの家モデルを組み合わせると変わった家ができあがるとか

差別化の図り易さに重点を置きたい。

そういう意味では無印ツクールの自由度を上げたほうが近いかもしれない。

場合によっては痒いところに手が届くために

素材をpsdや各種3dの拡張子でエクスポートできて

外部ツールでも編集できる。

テクスチャなんかも読み込めれば、それだけで差別化は図れる。

個人的にはPS2無印ツクールのような

3Dマップをうろうろするのはいらないけど

デフォルトの設定がうろうろできるものだとして、5のときにあった

イベントコマンドのカメラの固定とかを自動実行イベントにつけてやれば

奥行きのちゃんとあるFF7~9の表現も簡単にできそう。

キャラメイクについても、同様にツクールのシステム内だけで完結。

近いのは2Dでいうところのちびキャラツクールであったり

ツクール5のモンスターのシステムだろうか。

各パーツを自由に変えれたり、言ってしまえば最近のMMOによく見られる

キャラメイクそのものをよりツクール寄りにすればみんな自由な発想で

他人と差別化を図りつつキャラが作れるだろう。

3Dキャラでのアクション付けがかなり面倒そうだけど

ある程度はデフォルトで用意して、こだわりたい人用に

数値設定でもなんとかなるようにしたり、可能な人はキネクトと連動して

キャプチャ可能だったりがあるといいのかも。

エフェクトについてはツクール5がとても優秀だったのであれをベースに。

昨今のツクラーたちが、クオリティの高い素材であれこれ作ってるおかげで

新規参入したいツクラーたちが、自分は絵描けないし

デフォルト素材でしか作れないし・・・と

手を出しづらい状況になっているようにも思える。

しかし、ここまでのツクールができれば、作りやすさも相まって

既存の3Dゲームエンジンにも負けないし

ほんとに理想通りのツクールだと思うんだけど

どうかなあ・・・。