どこここブログ

10年以上続くナナブルクの日記

テイルズオブアライズ所感

テイルズオブアライズをクリアしました。

難易度は最初から最後までノーマル。
クリアタイムは54時間半でした。

私が最後にやったのがグレイセスだったので、実に12年ぶりのテイルズとなりました。

以下クリアした所感。

このゲームを一言でいえば「すべてがどこかで見たことのあるRPG」でした。

他のゲームからインスパイアされて、その要素を作品内に取り込むっていうのは至って普通のことなんですが、その見せ方が全て雑すぎた印象です。でもこれって、シナリオを作る初心者なら、きっと誰しもが通りそうな道なんですよね。

特定の設定やイベントに感化されて「これやりたい!!」って意気揚々と取り込んだ結果、その前後がまったく準備されてないせいで、上澄み液だけを見せられている状態です。

とはいえテイルズってJPRG界の茶漬けなので、どのナンバリングもやってることは同じなんです。ただ固有名詞が違うだけでやってることも世界設定もほとんど同じ。だから今作のアライズも活字だけで見れば、他と大差ないはずなんです・・・が、ここまでひどいシナリオを見せられたあとだと、歴代テイルズって頑張ってたんだなって思わされました。毎回同じと言いつつも、ちゃんと面白かったもんなって。

あと、歴代テイルズシリーズをやってきた身としては、今作は初の「中編RPG」でした。テイルズのマザーシップタイトルって、JRPGの中ではAAAタイトルっていう扱いじゃなかったの・・・?っていう疑問が生まれたほど短かったし、世界が狭かった。歴代の1/4ほどの世界しか描かれなかったんじゃないかと思います。これは世界の描き方の問題だと思うんですが、とかく世界が狭く感じられました。

にも関わらず、キャラクターのセリフはすべて従来どおりのセリフを喋るものだから、そのギャップがすごいんですよね。

こちらとしては、まだ中盤に差し掛かったかな・・・くらいの感覚なのに、キャラクターたちは決戦前夜みたいなセリフをバンバン喋り始めるわけです。「思えば随分と遠いところまで来たものだ」とか「これまで色んなことがあったよな・・・」とか。いや、君たちそんなに長いこと冒険してきてないよ?っていう。

とまあここまではシナリオの所感でしたが、他にも思うところは沢山あります。

その一部を抜粋すると、敵の種類が5,6種くらいしかいない。ボスの形状もほとんどが使いまわし。一番ビックリしたのはラスボス。こんなにも予算かけてません!って思えるラスボスも珍しいと思います。こんな低予算なテイルズ見たことがありません。フリゲーかな?って見紛うほどにひどい。見た目もさることながら、攻撃行動もかなりひどく、一定間隔で使ってくる秘奥義のブラックホールはR2を連打しているだけで全回避できてしまうため、今回こそは使えると思っていたオメガエリクシールも出番がありませんでした。

そして今ならわかるんですけど、難易度ノーマルでも敵が強かった理由は、たぶんプレイ時間のかさ増しが主な理由なんじゃないかと思えてきました。最初こそ難しかったものの、こちらのリソースが増えた後半はただただHPが高いだけの尺稼ぎにしかなっておらず、やることは終始単調なものになってました。

散々酷評してますが、良かったところもあげておきます。

良かったところは、前回の記事でも書きましたがバトルシステムのブーストアタック関連。

これは相当によかった。JRPGの完成形といってもいいくらいによかったです。古来より続く「これが俺たちの最後の戦いだ・・・みんな!いくぞ!!」からのPTが3人だけっていうあの呪縛に対するアンサーといえます。

ちゃんと控えの仲間ですら、終始ずっと一緒に戦っている感を味わせてくれる最高に素晴らしいシステムでした。敵の種類に応じて担当する仲間が割り当てられているため、ずっと全員の出番があるんですね。だから終始全員を呼び出し、画面にちゃんとでてきて役立ってくれて、さらにブーストストライク(合体技)をすることによって、仲間同士で頑張ってる感がずっと味わえます。あれが敵全体にダメージが及んでいるのもよかった。本当にめちゃくちゃいいシステムでした。このシステムが良すぎたせいで、相対的に秘奥義が霞んでしまっていましたが・・・。

というわけで以上、アライズの所感でした。

結果として反面教師として学ぶことは多かったので、やっておいてよかったです。

この規模のRPGであの規模の世界設定を広げてはいけないってことがわかりましたし、上澄み液ばかり並べたらそりゃこうなるよなっていうのがわかったのは収穫でした。

これまでにクリアしたテイルズシリーズ