どこここブログ

10年以上続くナナブルクの日記

ミートスパゲティ

今夜は私の好物の一つ「ミートスパゲティ」を作りました。

単価400円くらいのミートスパゲティ

その昔、私が嫁とまだ付き合っていた頃。

ひとり暮らしの私のもとへ彼女が遊びに来て、そこで初めての手料理を作ってくれたことがありました。

そのとき何が食べたいかと聞かれて、じゃあミートスパゲティと答えた結果、嫁が頑張って作ってくれたわけですが、そのミートスパゲティが妙にトマト臭くて、人の心を持ち合わせてなかった私は「なんかトマト臭くない?」と、どストレートに感想を言ったらしいんですね。

正確になんて言ったかは覚えてないんですけど、確かにおいしくなかった記憶はあるんです。そしてそのとき、嫁がトマト缶を使って調理していたことも覚えてました。

当時の私が一番キライな野菜は何かと言われれば間違いなく「トマト」だったんですが、トマト嫌いによくある加工されたトマトは大好きっていう類だったんです。が、あまりにトマト臭が残っていて、ピュアすぎる感想が出てしまったっていう話です。

今にして思わなくても、失礼極まりない反応だとは思うんですが、仮にこれを「旨い」と言ってしまったら、今後も出てくる可能性があるという危機感と葛藤した結果だとは思います。とにかくその一件以来、トマト缶を使ったミートスパゲティは美味しくないものという印象が根付いてしまったんですね。

で、先日。

私の実家で出てきていたミートスパゲティはどうやって作っていたのか母親に聴いたところ、我が家はケチャップしか使ってなかったとのこと。たしかに大量のケチャップを使っていた記憶がありました。

ただ続けて「トマト缶があればもっと美味しくなるのにね」と言ったわけです。正直私は何を言っているのかわかりませんでした。つまり母親的にはトマト缶があれば使いたいけど、うちにはないからケチャップで代用していたということになります。

(まじで?トマト缶使ったらあれがでてくるんじゃないのか・・・?)

そんな疑問と決別すべく、この度、自分でミートスパゲティに挑戦することにしました。そう、私の中で禁忌認定されていたトマト缶を使って。

ケチャップコーナーにあるトマトのホール缶というものを人生で初めて買い、調理開始。トマト缶を入れてからしばらくは、あのトマトならではの臭いが充満していたので、これ本当においしくなるのか・・・?っていう疑問と戦ってました。

が、結論から言うと、煮込めば煮込むほどその臭いは消えていったんですね。なるほど、あのとき嫁が作ってくれたやつは単純に煮込む時間が短かっただけなのかもしれないと考えるようになりました。

トマト臭さも消えて、味付けをして、恐る恐る食べてみたら、ちゃんと美味しいミートスパゲティになってました。

その日の夜、嫁にあの頃の話をしたら「あのときは火が通ったらそれでいいと思ってたのよ」って言われました。なるほどね・・・。

人生のなかで、誰かに放った何気ない一言が、生涯ずっと引っかかることってことってよくあると思うんですが、仮に今の嫁と結婚してなかったら、あのときのことをずっと後悔したまま過ごしてただろうなあって、横で寝てる嫁を見ながら思うのでした。

めでたしめでたし。