どこここブログ

10年以上続くナナブルクの日記

RPGのラスボスに感情はいらない説

思考が見えちゃうと、スケールが小さく感じてしまう

みなさんはDQとFFのラスボスで誰が一番好きかと聞かれたら、誰って答えますか?っていうお話なんですが、世間では大多数が「DQゾーマ」で「FFはセフィロス」になると思うんですよ。そしてこの議題について、先日ウメさんがラジオで語ってまして・・・そこで、さすがの答えと着眼点に驚かされたってのが、本日のお話です(この話題は14:15から)。

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結論からいうと、ウメさんはDQが「シドー」でFFが「くらやみのくも」らしいんです。もうすでにやばい。ウメさんいわく「RPGのラスボスに感情移入とかいらない」って思ってるそうです。ラスボスの思考が見えちゃうと、スケールが小さく感じてしまうのだそう。たしかに、みんな必死に壮大な野望について、大層な文言を並べてベラベラ喋るけど、それって逆にスケールが小さく見えるぞって話です。うわあ・・・考えたことなかったなあ・・・って。

あの「血も涙もない感じ」がドラクエのなかでは珍しい

ウメさん曰く、シドーは存在がラスボスと思われてたやつ(ハーゴン)を倒して始めて存在がわかる。あの「血も涙もない感じ」がドラクエのなかでは珍しいと思うって話てるんですけど、ほんとにそうですよね。他のナンバリングは、いくら破壊神とか大魔王とかいわれたところで、みんなベラベラ喋るんですよ。シドーは会話なんて一切ない。ここがたぶん大事。もう絶望しか目の前にない感じ。実際めちゃくちゃ強いですし。おまけにちゃんと裏にはハーゴンが自らを生贄にして召喚した破壊神なんですよ。もうやばいですよね。なんてものを呼び出してくれたんだと。

あと個人的にですが、シド―は登場の仕方が最高に好きです。よく考えると、登場シーンでいったらドラクエの中で一番好きかもしれない。あの、ハーゴン倒したあとの「あれ?終わった・・・?BGMダンジョンのままですけど?ついでに動けますけど・・・?」っていう空気の中から、いきなりあたりが問答無用で破壊されていく感じが最高にかっこいい(というかこの動画、タイトル最速ターン動画で、レベルもみんなMAXなのに、シドーのこの強さやべえな・・・FC版は言わずもがなですが、SFC版もやばい強いんですよね・・・)。

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くらやみのくもは正直FF3を知らないのでわかんないですが(たぶんFF3ですよね?)話を聞く限り似たような理由っぽいです。なんかわからんけど、こいつを倒さないと世界がやばいって感じさせるラスボスなのだそう。この理解できないヤバい対象ってのがウメさんのなかで共通してる認識なんです。

恐怖より先に「誰やねんおまえ」っていう気持ちになる

これ、さらに重要なのは、別にただの空気なラスボスのことを指しているわけではないこと。空気なラスボスならいくらでもいますよね。DQでいえば代表的なミルドラースさんだし、FF9ペプシマンだし。でも、やつらは別にヤバい感はないんです。恐怖より先に「誰やねんおまえ」っていう気持ちになる。この空気王たちって、どちらもベラベラ喋るんですよね。空気なら、ちゃんと空気に徹してほしい。出会うまでに設定を描ききれてないなら、最低限、喋っちゃいかんのです。

今やあらゆるラスボスが出尽くしてしまい、それでもクリエーターは敵側にも感情移入させようといろんな設定を考え続けてる中、ウメさんのこの思考回路はもう衝撃的でした。私がただのウメキッズだからか知らないですが、ひたすらに感心してました。確かに本当の恐怖って理解しがたい、名状しがたいもののはずですよね。いやあ・・・イナナキアのラスボス・・・めちゃくちゃ喋りそうだなあ・・・。