どこここブログ

10年以上続くナナブルクの日記

椿というキャラクター

忍屋の主人公である「椿」。

この子のキャラ像というものが、実は結構長いこと決まらなかった。

初期からあった設定は、特殊な気の力を持っていて

その力が原因でトラウマを抱えているっていうことくらいか。

あと私が好きな年齢ということで14歳はずっと変わらず。

キャラの絵だけをみたら、紋がクールで郁がおっとりしてて

じゃあ椿は元気っ娘かなあって具合だったが

トラウマかかえてるのに元気ってのはおかしいだろってなって

その有り体な設定すらも通用しないのが彼女だった。

あまりにキャラ像が決まらなすぎて、この「気」の設定すら

シナリオを作っている過程で何度も消えたりしていた。

そもそも「気」なんて非現実的な設定があるから悪いんじゃね?

って思ったりしてね。

「気」をなくし、単に忍びとしてだけ描こうと思った時期もあり

目的は「母親を探すために忍屋になる」という設定にとどめたほうが

わかりやすいんじゃなかろうかとか。

結果として、主人公として特殊設定をもたせたくて

「気」の持ち主という設定は復活し、今に至る。

これらの設定が決まったところで、キャラ像が決まったわけではない。

ただ自分の作り出したキャラに役割を与えたにすぎない。

この段階では、まだ町の入口で同じことを繰り返すNPCと大差なかった。

命を吹き込みたいが、長い間作りすぎているのが原因なのか

まるで椿という人物の性格がつかめず、ずるずると進み

全てのシナリオの台詞を書き終えた後でさえも性格が決まっていなかった。

今にしてみれば理解しがたい状態である。

で、その後。

町の人たち、つまりモブたちの台詞を書き起こしていたときのこと。

時期で言えば今年のはじめくらいらしい。

この頃はまだ、会話をモブたちだけで完結させようとしていたが

結局、忍屋という世界に椿を関わりをもたせるために

モブたちにも、椿のことについてあれこれ喋らせるようになった。

そのモブとの会話を経て、ああ、椿ってそういう性格だったの・・・

と、次第に思えるようになってきた。

椿は山で弦ノ助と二人きりで育ったから

ゲーム開始時、町へ降りてくるといろんなものが珍しくて

それが必然的に「世間知らず」というキャラ像を作り出し

人と関わってなさすぎて、思ったことを口に出すという性格が生まれた。

俗に言う「恥ずかしい台詞」を平気で言ってしまうのだ。

そう考えると、町に到着して露天商の装飾品に目を奪われるイベントも

もともとは日照子に会うために導入したものだったが

彼女のキャラ像をつくるのに一役買っていたらしい。

椿という名前が、当時の知り合いに決めてもらった2006年から

10年という歳月を経て、キャラ像が確立するっていうのも

なんとも感慨深いものがあるけど、後にも先にも今回だけにしたいなあ。

あまりにキャラを動かすのが難しすぎたよ・・・。