どこここブログ

10年以上続くナナブルクの日記

非日常

天気:有希

今朝、窓を開けてみると世界には雪が積もっていた。
道路は比較的溶けてはいたが、建物の影になっている部分は
見た目とは裏腹に、よくすべる仕様となっている。

通勤中、最初のうちはものすごく慎重に進んでいたのに
なぜか後半、人通りが多くなったところで油断したのか
セブンの駐車場で、派手に転んでしまった。

あぁ~っぃてぇ~ちくしょう…とそこまではっきりとした声はでないものの
中年のおっさんがくしゃみの後に発する台詞と似たようなものを吐き
痛い膝を無理やり起こしてそのまま通勤を再開するのだった。

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業務を始めて数時間、午前11時前。
俺の携帯電話がやや長い感覚で振動した。
どうやらメールではなく電話のようだ。
こんな時間に誰からだろうと怪しみつつも、雪の若干残るベランダへ出て
その相手と話すことにした。

―○○不動産です。

どうやら俺のマンションの不動産かららしい。
何事かと思えば、なんでも俺の隣りの部屋から通報があったらしく
俺の部屋のベランダで、洗濯機から水が漏れているような音がするとの
ことだった。正直焦った。

仕事中かと問われたのでそのように告げると、入ってもいいかと聞かれたので
長門コレクションを見られるのも恥じることなく、了承だけして電話をきった。

水道代が気になったり、水道管が爆発したらどうしようとか
気が気じゃないまま仕事を再開して、気が付けば12時になっていた。
現状がわかったらまた折り返し連絡してくれる話だったのだが
なんの連絡もないので、自ら昼休み中帰宅することに。

マンションの下につくと不動産の車こそ止まっているが
中の人は誰かと電話しているようで動くけはない。
仕方ないので耳を澄ませながら4Fへとあがり自分の部屋をあけた。
なんの音もしないところを見ると、爆発はしていないようだ。

もしかしたらもう調査は終わったあとなのか?
そう思いつつベランダへ出ると、水道管とチューブの隙間から
申し訳程度にちょろちょろと水しぶきがあがっていた。

こ、これかよ……。

見るとたしかに隣の部屋へ水は浸透しているようではあったが
予想していたよりもあまりにしょぼくて拍子抜けだった。
まぁ爆発エンドに比べれば断然いい結果ではあったのだが。
その後部屋に業者の人が到着して、雑談でもしながら部品を
交換してもらった。これが全てタダというから驚きである。

話を聞くに、外に洗濯機を置く場合は水道の蛇口は
洗濯するときだけあけるようにしないと、今日みたいな寒い日には
こんな現象が起こるのだという。
3年間ずっと開けっ放しでしたよと互いに笑いながら
事件は一件落着した。

普段とは違う日々を望んでいるとはいっても、やはりこういった類の
非日常は、ちょっと違う気がする……。
日常が幸せと感じたり、刺激がないと面白くないといったり。
……人は、なんと贅沢な生き物だろうか。